結果報告


 

秀栄化成株式会社のポリエチレン・フィルム(袋) レーヘ"ントパック」に
使われている光触媒:酸化チタン(Tio2)半導体について、以下に報告する。



 

I.光触媒の概念
 

 光触媒反応は化学反応である.半導体(*)や増感剤(**)などの「光触媒」に太陽光(紫外線)を照射し、
その光励起(***)によって起こる電荷分離により生じた電子と正孔く****)が、酸化反応と還元反応
をそれぞれもたらす。酸化チタン(Tio2)半導体が光触媒として使われる場合、電子が対極として使
われる白金(Pt)に移行し、そこでプロトンを還元して水素を生じる。また、正孔は水を酸化して酸
素を発生させる。結果的に紫外光で水の分子が分鰐され、水素と酸素を得ることになり、光触媒そ
のものは反応前の状態で残される。
 1969年に本多健一東大名誉教授、藤嶋照教授(当時大学院生)の両氏がその効果を発見し、1972年
に報告されたことから「本多一藤嶋効果」と呼ばれている。水の分子が分解され、水素と酸素を得る
ことになるため、分解された水素を採取してエネルギーに利用しようとする研究がなされてきた。
発見当初は、太陽光エネルキ"-と水を化学的に変換して燃料を合成する有力な方法として、石油ショ
ックも契機となり急速に注目されるようになった。しかし、太陽エネルキ"-の変換という点では、酸
化チタン(Tio2)は紫外線しか吸収できず、太陽光の主なエネルキ"-領域である可視光は利用できな
いため、太陽電池よりも効率が悪くなってしまうなどの理由から、このエネルキ"ー変換の試みはだ
んだんと下火になった。
(金子正夫「太陽エネルキ"-」 95/9,日本経済新聞95/8/20,日本工業新開94/12/5,他)

注:

*半導体:室温における電気伝導率が金属と絶縁体の中間程度である物質。一万向にしか流れない
伝導体。
**増感剤:化学反応や物理現象の際に少量添加して、その反応や変化を著しく促進させる添加物質。
***光励起(励起) :振動系にエネルキ"-を与え固有振動(振動系の各要素が常に同位相で振動を続ける
様式)を起こすこと。
****正孔:絶縁体や半導体の価電子帯(エネルキ"一帯)が電子によって完全に満たされていない場合
に空いている電子状態を粒子とみなして、これを正孔と呼ぶ.。電場や磁場に対して正孔は+aの電荷
を持つ粒子として振る舞う。光や熱によって荷電子が電導体に励起されれぼ、価電子帯に正孔がで
きる。一方で、光触媒としての酸化チタン(Tio2)においては、光で生じた正孔の酸化力が極めて強い
(オゾン以上)ことも発見され、多くの有樵・無機化合物を酸化的に分解することができることがわ
かったため、このような光酸化反応が最近では抗菌作用などとして注目されてきている。
<光酸化反応の詳細については別項を参照のこと。 >



 

光触媒として使われる材料

 光触媒化学反応では光励起を受ける化合物が最も重要であり、このため半導体または増感剤を用
いる。しかし増感剤を用いる反応はまだ基礎研究段階で応用上は難しく、主に半導体が利用されて
いる。

 安定で効果の高い半導体材料は従来限られており、多くの場合酸化チタンくTio2)が用いられる。
また、従来、酸化チタン(Tio2)は技術的に紫外線しか利用できないとされてきたため、太陽光の5%
しか利用できず、太陽光の大部分を占める可視光線を利用するという観点から多くの半導体が検討
されてきたが、可視光を有効に利用できる半導体で安定かつ効果の高い材料はないとされてきた。
(金子正夫「太陽エネルギ-」 95/9,日経産業新開95/4/27、日刊工業新開95/2/3)

 しかしごく最近の情報では、可視光線の領域で酸化チタン半導体光触媒を安定的に励起する方
法が開発されたとの報告があり、この酸化チタンに金属イオンを注入する新しい光触媒創製技術で
は、可視光線領域で光触媒として働くことが確認されており、窒素酸化物を窒素と酸素に分解でき
ることも分かっている。
(日刊工業新聞95/11/22)  
                       
 他にも可視光線を利用できる光触媒の開発が報告されておりニオプ酸カリウムの内部に鉛を組
込んだ複合酸化物でも、可視光線によって水を水素と酸素に分解できることが確認されている。
(日本工業新開91’5/13)

 酸化チタンの三倍の効率で水を分解し水素を作る光触媒を開発した、との報告 <日経産業新
聞記事)もある。酸化シリコンを層状に並んだニッケル・ニオプ・ルビジウムの酸化物に詰めて効率
を高めた方法であり、他にもシ"ルコニアやパラニウムなどの金属も同様の機能を持つことが確認
されている、とのことである。
(日経産業新聞93’9/29, 92/11/20)

 また、白金を含んだ二酸化チタンの粉末を水中に混ぜ、これに様々な電貯質を溶かして分解降率
を上昇させる研究も行われ、炭酸ナトリウムなどでは従来の500倍以上の高い効率で水が分解され
ることが確認された。
 更に、酸化ニッケルを使った光触媒反応は白金を使ったものよりも高効率であることが確認さ
れ、この方法で水の完全分解に成功している。
(化学工業日報94/9/26,日経産業新聞92/5/11、化学工業日報92/3/24)

*チタン(Tio2)について

 酸化チタン(Tio2)は現在白色顔料として膨大な量の需要があり、国内で年間15万トンが用いられてい
る。用途としては建築や自動車用の塗料を始め、樹脂製品や紙、食品添加物に至るまで様々である。
 通常の顔料酸化チタンは光触媒活性が乏しいが、光触媒活性のあるものに置き換えていくことはあ
る程度は可能である。そして、昨今の抗菌製品ブ-ムを見るまでもなく、顔料酸化チタンを利用した製
品には相当量の需要があるものと思われる。

(渡部俊也「太陽エネルキ"-」95/9, 「食品・化粧品危険度チェックブック」 )
 

II.光触媒の他応用例

 太陽エネルギ-の変換作用としては効率が悪く応用に至らない酸化チタン(Tio2)光触媒であるが、微
量物質の分解などその光酸化反応には最近注目が集まっており、安価で高効率であるとして、その応
用開発がガン治療、農薬や環境汚染物質の分解などの環境浄化作用、各種菌に対する抗菌・殺菌作用な
ど幅広い分野で進められている。
 細菌の殺菌においては、一時に多量の細菌の殺菌を必要とするケースよりは常時少量づつ発生して
いる細菌を持続的な殺菌効果で抑える効果の方が必要とされ、実用的であることから、微量づつの殺菌
効果でも充分であり、太陽光に含まれる紫外線や室内蛍光灯の紫外線量で充分の効果が期待できる。
 反応条件の制約が少ない、有寺な薬品などは使わない、ほぼ全ての有害有機化学物質を分解・無毒化
できる、触媒として殆ど劣化しない、などが光触媒の利点としてあげられている。
 

光酸化反応により有機・無機化合物の分解

 別項で述べたように、酸化チタン(Tio2)においては光で生じた正孔の酸化力が極めて強いため、多く
の有機・無機化合物を酸化的に分解することができ、太陽・光のエネルギー変換反応よりも、このよう
な光酸化反応の方が、最近では注目されてきている。
 

 光触媒の酸化反応が、環境に有等な有機・無機化合物の酸化分解・除去に有効なことが分かり、環境問
題がクロース"アップされるという社会的背景もあり、酸化チタン(Tio2)微粒子を光触媒とする研究が
最近では多く行われるようになった。
 オゾン層を破壊して紫外線障害をもたらす恐れがあるハロゲン化物の光分解研究、温室化効果の高
い炭化水素の光分解等、排水中の有機塩素化合物の光分解、洗剤等の界面活性剤、農薬やフェノール頬
の光分解、有害なCNーイオンの酸化無害化、 6価クロムの低毒性の3価への還元、重金属イオンの酸化
物化・沈積無害化等の研究がされている。
 また、以上のような積極的な太陽光/人工光源利用の他に、最近では低濃度の有害菌や悪臭の元、汚
れなどを除去するために室内照明中の紫外光を有効利用する光触媒化学的酸化分貯が注目されてい
る。タイルや外装建材、衣服、食器などの生活用品などを酸化チタン(Tio2)と組合わせて、抗菌性や
防汚効果、防臭効果を持たせるなどの研究が精力的に行われており(下項参照)一部は既に実用化され
ている。
(金子正夫「太陽エネルギー」95/9)

*抗菌性
 

 光触媒による抗菌性発現機構は、細胞膜の損傷によるものと考えられ、抗生物質に耐性があり院内感
染が同蹟となったMRSA,大腸菌、緑膿菌などに対して蛍光灯下1時間で99.9%以上の殺菌効果がある(光
が当たらない場所でも3時間で同様の効果) 、との実験報告がある。
(渡部俊也「太陽エネルギー」 95/9、日経産業新聞93/9/29、日本経済新聞95/8/20他)
 

 
 TOTOが現在受注、生産している光触媒抗菌タイル、衛生陶器(便器.洗面台など)は、世界で初めて
光触媒技術を応用した実用品である。既に病院のトイレ、浴室などに施工された例もあり、大腸菌など
への抗菌性の確認も報告されている。
(日本工業新聞94’12/5、他)
 

*ガン治療

 患部に酸化チタンを注入して紫外線照射でがン細胞を殺す方法が現在研究中である。この方法は皮
膚ガンなど体の表面や内祝銃の届く部位でなければ治療は出来ないが放射線やレーサ"ーに比べ体へ
の負担が少なく、装置も簡単なのが利点とされ、今.後臨床試験に進予定という。
(日経産業新聞93/9/29)                               .
 

*防汚性

 住居環境の中でも浴室、 トイレなどの細菌の繁殖が汚れの原因となることが多い場所で光触媒タイ
ルと通常タイルを施工した実験では、通常タイルと比較して光触媒タイルヘの汚れの付着が明らかに
少ないことが確認されている。また、汚れが付着しても光触媒タイルにおいてはスポンジでの水拭き
のみで容易に除去できる。
(渡部俊也「太陽エネルギー」 95/9、他)                             I
 

 光触媒を表面コーティングした「汚れが自動的に落ちるカ"ラス」も開発されている。窓ガラスの汚
れはタール分などの有税物がホコリを捕まえて定着するものであるが、ガラス表面の光触媒が有機物
を分解してしまうため、掃除回数が大幅に減らせるはずである、とのこと。但し、無機質のホコリ自体
は取り除けない。
(日本経済新聞95/8/20、日本工業新聞94/12/5、日本経済新聞94/11/26、他)
 

 酸化チタン購をコーテインク"した基板に、煙草一本分のヤニを付着させて太陽光の下においた実
験では、約2時間後にヤニが完全分解し、同様に蛍光灯下に置いた場合は約l週間で完全分解し、消臭、殺
菌においても同棲の効果のあることが確認された、との報告がある。

(化学工業日報94’11/15、日本工業新聞94/12/5、他)
 

 照明機器のカバー、自動車のフロントがラスなどを酸化チタンでコーティンク"し、防汚効果を期待
する試みも進行中である。
 (日本工業新聞94/12/5、他)
 

*防臭性・消臭性
 
光触媒タイルと通常タイルにおける防臭性の比戦実験があるが、容器に煙草臭を封入し、タイルを設置
した時、通常タイルヘの光照射では変化のなかった臭気強度が、光触媒タイルでは、顕著に低下した。
(渡部俊也 「太陽エネルキ"ー」95/9、他)
 

 
光触媒を織り込んだ消臭繊維も商品化されている.アセトアルテ"ヒドやアンモニアなどの消臭成分を
光触媒で分解し、臭いが消えることを確認した、とのことで、布団の生地、パジャマ、カーテン、カーペ
ット、畳などに応用していくとのことである。
(化学工業日報95/8/8、日本経済新聞95/8/20、他)
 
 

*水質浄化

 内側に光触媒をコーテインク"したコップ、グラス、マト"ラー、アイスペールなどのガラス食器も商
品化されている。水道水の悪臭のもととなる塩素化合物を分解し、含有される有機物を分節すること
により水を安全にし、おいしくする働きがある、とのこと。
「TRIGGER」 95/7/1、日刊工業新聞95/11/9ー 日本経済新聞95/8/20、他)
 

 腐敗の原因となる有機物をコーテインク"された光触媒が分解するため、さした花が長持ちする、と
いう花瓶も商品化されている。花瓶の水の腐敗の原因が、花の茎から分泌される有機物を細菌が分解
して水を腐敗させ枯らしてしまうことであるため、有機物を分解するという光触媒の効果を利用した
ものだ。
(毎日新聞95/9/27)
 

*排水浄化

 発ガン性の疑いがあり、微生物によっても完全分解はむずかしいとされてきたトリクロロエチレン
やクロロホルムなど有機塩素化合物を、光触媒によって分解する技術も開発されている。太陽光を利
用するためコストの低減にもなり、汚染された地下水の浄化やクリーニング工場、半導体工場などの排
水処理に実用化できる。
(日経産業新聞94/11/2、下野の新聞90/12/8、他)
 

(ドライクリーニングによって排出される有青物質の浄化効果については別項「農薬・汚染物質の分解」
も参照)
 

 また、通常の排水処理以降の最終工程で、光触媒によって排水を透明にする排水脱色作用の応用開発
も進められている。特に染料や各種工場の濃縮排液を一次二次処理した後の排水に有効であるとされ
ている。
 (化学工業日報94/12/21、他)
 

*防臭性・消臭性
 
光触媒タイルと通常タイルにおける防臭性の比戦実験があるが、容器に煙草臭を封入し、タイルを設置
した時、通常タイルヘの光照射では変化のなかった臭気強度が、光触媒タイルでは、顕著に低下した。
(渡部俊也「太陽エネルキ"-」95/9、他)
 

 光触媒を織り込んだ消臭繊維も商品化されている.アセトアルテ"ヒドやアンモニアなどの消臭成分
を光触媒で分解し、臭いが消えることを確認した、とのことで、布団の生地、パジャマ、カーテン、カー
ペット、畳などに応用していくとのことである。
(化学工業日報95/8/8、日本経済新聞95/8/20、他)
 

*水質浄化

 内側に光触媒をコーテインク"したコップ、グラス、マト"ラー、アイスペールなどのガラス食器も商
品化されている。水道水の悪臭のもととなる塩素化合物を分解し、含有される有機物を分節すること
により水を安全にし、おいしくする働きがある、とのこと。
(「TRIGGER」 95/7/1、日刊工業新開95/11/9ー 日本経済新開95/8/20、他)
 

 腐敗の原因となる有機物をコーテインク"された光触媒が分解するため、さした花が長持ちする、と
いう花瓶も商品化されている。花瓶の水の腐敗の原因が、花の茎から分泌される有機物を細菌が分解
して水を腐敗させ枯らしてしまうことであるため、有機物を分解するという光触媒の効果を利用した
ものだ。
(毎日新聞95/9/27)
 

*排水浄化

 発ガン性の疑いがあり、微生物によっても完全分解はむずかしいとされてきたトリクロロエチレン
やクロロホルムなど有機塩素化合物を、光触媒によって分解する技術も開発されている。太陽光を利
用するためコス柑q減にもなり、汚染された地下水の浄化やクリーニング工場、半導体工場などの排水
処理に実用化できる。
(日経産業新開94/11/2、下野の新聞90/12/8、他)
 

(ドライクリーニングによって排出される有青物質の浄化効果については別項「農薬・汚染物質の分解」
も参照)
 

 また、通常の排水処理以降の最終工程で、光触媒によって排水を透明にする排水脱色作用の応用開発
も進められている。特に染料や各種工場の濃縮排液を一次二次処理した後の排水に有効であるとされ
ている。
 (化学工業日報94/12/21、他)
 
 

*大気汚染物質(NOx、SOx)

 大気汚染の元凶である窒素酸化物(Nox)と硫黄酸化物(SOx)を同時に100%除去する装置やシートが
開発されている.酸化チタンの半導体微粒子を活性炭が混ぜ合わせてあり、酸化炭素(CO)、二酸化炭素
(CO2)が硝酸イオンに変わり、残ったNOと共に活性炭に吸着される。
(日本経済新聞95/8/20、95/4/29、日経産業新聞93/9/29、日本工業新聞92/2/25、他)
 

 酸化チタンを光触媒に使った大気浄化パネルの実用化に向けて開発も進められいる。自動車から排
出され、大気汚染を引き起こしている排気がスの削減に役立てる。触媒としての効果は半永久的との
こと。
(日刊工業新聞95/10/17、他)
 

*農薬・汚染物質の分解

 光触媒を使い環境を汚染する恐れのある農薬を分解する方法も開発されている。ゴルフ場で使われ
ているタ"イアシ"ノン、パラコート、ト"ライクリーニングで使われているトリクロロエチレンやテト
ラクロロエチレンなどの有機八ロケ"ン化合物も光触媒で分解できる。                   .
 また、分解合成洗剤の界面清性剤や有機塩化化合物など、従来の廃水処理方法では分解できないとさ
れてきた物質の分解にも効果がある、とされている。
(建設通信新聞95/5′27、日経産業新聞93′9′2L9、日本工業新聞92J2/21、他)
 
 

*地域環境における光触媒反応

 最近ではビルや公共施設、住宅などの外装建材において、汚れ難さが重要な槻能として扱われてい
る。このため洗浄可能で吸水性のない樹脂で被荏された無機建材がシェアを伸ばしているが、都市部
の建材に付着する汚れ成分は排煙などから来る油分が多く混ぎっており、これは光触媒分解可能であ
る。また、噴水など水を景観に取り入れた公園施設等で夏期に多量の藻の発生に苦慮しているケース
が多いが、これに対しても光触媒を利用した材料による美観維持が可能である。
 (渡部俊也「太陽エネルキ"-」 95/9、他)
 

II.光触媒の製法
 

*チタンの生産量

 年間生産量は約650万トンにのぼるが、埋蔵量は世界で1億7千万トン(単純計算で27年分)とされてい
る。また、鉱石から1トンのチタンを作り出すのに1億300万キロカロリーものエネルギーを要す。但し
スクラップからの回収ではその約3%の800万キロカロリーで済む。以上のことから、資源量などを視
野に入れ、分離・再生がしやすい形での利用法を最初から念頭に入れなければならない。
(日本産業新開95/4/27)

酸化チタン(Tio2)の製法

 自然界に存在する鉱物としての酸イヒチタン(Tio2)には、鉱物のルチル、板チタ石、鋭錐石に対応す
る3種にの変態がある。
 また、空気中でチタン(*)またはチタン酸(**)を強熟すると、無色の粉末状の酸化チタンが得られ
る。
( 「岩波理化学辞典」 )
 

*チタン・・・・・地殻中に広く しかも多量に存在し、たいていの岩石、土壌中に含まる。
主要鉱石はルチル、坂チタン石、鋭錐、石(いずれも主成分Tio )、チタン鉄鉱(FeTio )へo
ロプスカイト(灰チタン石・CaTioA )、くさげ石(CaTiSio )など.砂鉄には常にチタン鉄鉱が含まれる。
常温常圧で安定な銀灰色の金属だが、空気中で610℃まで熱すると炎をあげて燃え、酸化チタンになる。
( 「岩波理化学辞典」、 「環境科学辞典」 )
 

**チタン酸・・・・・酸化チタン水和物(Tio2・nll2o) 。
( 「岩波理化学辞典」、 「環境科学辞典」 )
 
 

IV.安全性
 
 

*水浄化における光触媒としての酸化チタン(Tio2)

 水の浄化作用を調査するための水槽中で金魚を飼育しての実験では、光触媒を担持したガラスビー
ズを設置した水槽では濁度、大腸菌数および化学的酸素要求量(COD)の低下など水質に変化があった
が、 8ヶ間飼育した結果、デモンク水槽と光触媒ビーズを設置した水槽の間に、金魚の死亡率などの差
異はなく、この試験の範囲では生態への影響は少ないと思われる。
 (渡部俊也「太陽エネルキ"-」95/9)
 

 しかし、光触媒を用いた実験は報告によって結果のばらつきがあり、更に様々な試験条件においての
研究が必要である、ともされている。水質への影響については、有害な中間生成物の生成の有無などを
更にチェックしていく必要がある。
 (渡部俊也「太陽エネルキ"-」95/9)
 
 

*チタン(Ti)/酸化チタン(Tio2)

 チタン自体は動物または人に高度の毒性があるとは考えられていない。また、酸化チタンは医薬品
として火傷予防のための保護クリ-ム、また化粧品の添加成分として使用され、撲触性皮膚炎などのア
レルギー症状を示すことなく完全に無害であることが示されている。
 ( 「環境科学辞典」 )

 但し、高濃度の酸化チタン粉じんは気道に刺激を与えるとされ、許容濃度として日本産業衛生学会
(1983)は吸入性粉じんで1mg/m3、総紛じんで4mg/m3を示し、 ACGItI(ADlerican・ Conference  of
Governmental Industrial tlrgienists:米国産業籍生専門家会議、1983)はTiとして吸入性紛じんで5mg/m3、
総紛じんで4ns/m3を示している。

( 「環境科学辞典」 )
 しかし一方で、チタン粉じんへの慢性曝露で肺繊維症やじん肺が起こることは、明らかな症例報告も
ないとして、疑問視する見方もある.但し、その場合でも、化合物になるとその結合物の影響は出現す
る、とのこと。
( 「環境科学辞典」 )
 

*食品添加物としての酸化チタン(Tio2)

 酸化チタン(Tio2)は白色の合成着色科として、食品添加物として使われている。チョコレートのコー
ティンク"、ホワイトチョコレートなどが主な使用対象であるが、やはり粉末による気道の刺激、肺障害
などを生ずる恐れがあるとする見方がある。また、上記「環項科学辞典」ではアレルギーの心配はなく
無害であると報告されているが、別資料では、発がン性などの危険性はないものの、皮膚炎を起こした
りアレルギーの危険性のある物質であり、アレルギ-症状のある人や過敏症の人は注意の必要があると
思われる。( 「食品・化粧品危険度チェック」 )、とされている。
 

V.最後に

 製造社資料によると「レーヘ"ントパック」は、 「人体に有害な薬剤を使用せず、安全な無機物の作用
により渡れた効果が確認された」品質保全防虫米袋であり、 「フィルムの中に練り込まれた触媒が太陽
の光を吸収し、エネルキ"-に変えて米に必要なエネルギーをお米に含まれている水分を使ってお米に
還元する」、とされている。これについて、調査の結果、以下の留意点をあげたい。
 光触媒反応は太陽エネルギーの変換作用として70年代初頭の発見以来注目をあび、その研究結果も
確認され、報告されている.また、最近ではその光酸化作用が注目をあぴており、環項同舞の深刻化、抗
菌商品フ"-ムといった社会的背景、新たな殺菌技術の必要性などから、その有機・無機化合物の分解作
用が様々な分野で研究、応用、商品化されつつある。
酸化チタン半導体の光触媒としての、太陽光による水分からのエネルギー(水素)変換効果力が、光触媒
(酸化チタン)を包装剤としての袋に練り込んだ場合に、袋自身に含まれる水分ではなく、その袋に入れ
た内容物(米)の水分を反応させ、エネルギーの還元を行うことができる。
日本穀物検定協金中央研究所のテストデ-タによると、米の鮮度保持に効果的であるという結果がで
た。以上から他の生鮮食料品の包装資材としても効果的であると考えられる。



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